ムスメ、大分へ向かうのこと
一ヶ月検診も終わり、ムスメが大分へやってきたのはちょうど、夏も真っ盛りの頃合いでした。
ようやく血を分けた我が子と初対面……と言うわけでは無く。
いえ、直で会うのは初めてだったのですが、妻が寝室に取り付けていたスマートスピーカーのお陰で、実はこの一ヶ月間、顔や諸処の動作を見ることは出来ていたのです*1。
とは言え、向こうとしては初めて見る顔なわけで。
1ヶ月という時期なので、人見知りはせずとも「え? 誰? この人?」みたいな視線は感じるわけですよ。お父さんですよ~。
なお、この時ムスメの体重はようやく4キロに届く、届かない位。
「ちっさいなぁ」
と言うのが第一印象。
お腹を痛めて産んだわけではない僕ですが、眉の形とか目の辺りを見れば自分と同じ眼差しを感じる為、自然と慈しみみたいな感情がわき上がってくる……と良いなぁ、と思っていました。
正直、「この子を守らなければ」と言う義務感はあったものの、父性感情については良く判らなかったです。
県をまたぐ移動
コロナ禍の影響で県をまたぐ移動は自粛して下さい、と言われていた頃合いでしたが、妻の実家が大分では無く別の県だった為、そこからの移動はどうしても必要です。なので「必要最小限の移動」と言う事で出来る限り万全を期す方向で旅行計画を立てました。
まず、子供を含めて3人はグリーン個室で移動すること。
母乳をあげられない状況になる可能性があるので、液体ミルクは準備しておくこと。
ちなみに我が家ではアイクレオを利用しました。
量が125mlと少ないこと*2にくわえ、子供が生まれたとき、僕がお店にあるありったけのアイクレオ6本を買い占めてしまったのが原因でした。
その準備をしつつ、まずは僕が大分から妻の実家へ移動。翌日、僕、妻、ムスメの3人で大分へ戻る手筈となったのですが。
結果、ちょっとしたトラブルがあったものの*3、ギリギリで何とか乗車。ただし、駅弁などの昼ご飯は購入出来ず!
やはりぶっつけ本番と言うか、下調べ無しはかなり危険ですね。今後、気をつけよう。
と言うわけで、ムスメは人生初の電車へ。僕ら二人は人生初のグリーン個室へIN。
そして、そのグリーン個室ですが、部屋の広さは3畳ほど。テーブルに椅子2つと3人が腰を下ろせるソファが1つと、最大5人くらいはくつろげそうです。これがグリーン車の大人2人分の料金だなんて!
勿論、グリーン個室なので、ムスメをソファに眠らせていても誰も文句言いません。ああ、でも寝返りを打つようになったらソファで寝かせる作戦はNGだなぁ……。
窓から景色を眺められますが、そこもカーテンさえ閉じれば、母乳をあげる事も出来ますし、オムツの交換も問題ありません!*4
ビバ、グリーン個室! もう二度と個室じゃない電車旅に戻れないかも。
ちなみにムスメは生まれて初めての海とか線路とか見て大はしゃぎ……していたのかどうかは判りませんが、移りゆく景色を目で追いながら、それなりに楽しんで、楽しんで……。
「おぎゃー。おぎゃー」
「ああ、泣いた! オムツ? それともミルクか? とりあえずあやさなきゃ!!」
大人しい2割、眠る5割、泣く3割だった感があります。
まぁ、それでも周りに乗客がいないので、泣かれても気が楽、と言うのは個室ならではですね。ビバ、グリーン個室!!(二回目)
初、ムスメを抱き上げるのこと
コロナ禍の影響で両親教室が無かった為、妻の実家でムスメを抱き上げるのが、生まれて初めての赤ちゃんを抱き上げる機会となってしまいました。
正確には1年半前に生まれて1週間も経たない姪御を抱っこしているのですが、その恐怖はその時もまだ、癒えていませんでした。
「首を右手で支えて、左手でお尻を支えて、右手をスライドさせて右腕にムスメの頭を乗せて……」
「わわ! スライドさせたら頭が着いてくる! 変な角度になりそう!」
「そこを頑張って!!」
って、根性論かよ! もうちょっと理論的に教えろよ!!
と思いつつ、おっかなびっくりで初抱き上げ。
抱き上げて安定さえすれば、重さにして4キロほどの存在を両手で支えている訳ですから、そんなに辛いわけではないのですけど……怖い。
生命って怖い。小さいって怖い。それが正直な感想でした。
まぁ、とは言え、慣れなければ育児が出来ません。そして慣れていかなければ色々な局面で困ります。
そんなこんなで、妻の実家では恐る恐るだった僕も、電車を通して自分の家に帰り着いた頃には何とかサマになるくらいにはなっていたのでした。
ふぅ。怖かった。
そして夕ご飯
妻の実家ではお義母さんの料理でしたが、家に帰れば僕が料理をするしか有りません。一人しか家にいなかった時は外食で済ませていたりもしましたが、これからは3人。ムスメはおっぱいかミルクなので、二人分を用意する必要があり、そして、それは僕の仕事でもあります。
その日、妻が好きな料理と言う事で、麻婆茄子+豆腐を準備したのですが……*5。
「あ、辛いものと油物は乳腺炎になりやすいので次回からは避けてね」
「りょ、了解。善処します」
まだまだ勉強が足りなかったのでした。
食に関するお話は続くのですが、ともあれ、二人を迎えることが出来ました。
お帰りなさい。妻よ。
そして、いらっしゃい。ムスメよ。此処で一緒に生きていこう。